義援金、飯舘村へ

【'11年5月3日掲載】

義援金が集まっても、被災地に届くまで時間がかかり、またどこへ配られるかもわからない状況のなか、蓮光寺住職の法友である佐野明弘さん(石川県・光闡坊)が飯舘村に行かれるのを聞き、妊婦・乳幼児の安全な場所への避難のために使っていただくことにし、佐野さんに1,046,039円全額をお渡しいたしました。佐野さんによって義援金は飯舘村村長に届けられました。義援金が目に見える形で使われること、妊婦、乳幼児の被曝に危機感を持って活動された佐野さんに協力できたことは、チャリティコンサートを企画した我々にとってありがたいことでした。これからも継続的支援を続けていきたいと思います。

しかし、佐野さんの報告を聞いて益々心が痛みました。飯舘村の中で放射線量が比較的少ない役場付近ですら、毎時3〜3.5マイクロシーベルトが測定されていました。年間20ミリシーベルトは避けられない状況です。村内の放射線量の高い地域は言うに及びません。

害があるにも関わらず1カ月以上も安全と言われ続けてきた村民。そんななかで突然村を離れろと言われても、村から離れたくない、安全と思いたいという思い──。家畜も壊滅状態と聞きました。経済至上主義、科学絶対に表れる人知の闇が根本にあり、大切な関係が見えなくなってしまったのです。それは私たち一人ひとりに問われている問題だということを忘れてはならないと思います。

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