あなかしこ 「門徒倶楽部」機関紙

あとがき

年末から自宅のインターネットの接続障害が続いている。夜中の数時間はなんとかつながるようなのだが、午前9時を過ぎてしまうと夜までどうにもならい。詳しい人に聞いたところ、インターネットを使おうとする人が増えると、渋滞して接続速度が落ち、やがては止まってしまうのだそうだ。インターネットと言えばまさにデジタルの世界、科学の粋を集めた分野なのだと思っていたが、道路の自然渋滞と同じようなしくみが見出せるのだと聞き、そのアナログな感じに少しホッとしたりもした。

しかし、締め切りに追われる仕事を抱えていたりすると、そう言ってばかりもいられない。また、今の世の中、音楽のCDをパソコンに取り込んで携帯用のプレーヤーに記録しようとするときにも、インターネット上のデータベースなるものに知らず知らずのうちにお世話になっているようで、この接続障害のために、音楽を聴くということにさえもいささかの不便を強いられたりするのだ。

インターネットなどなくても少しも困らないと思っていたのだが、いつの間にかすっかり依存してしまっていたという事実にハッとさせられた。まさに、それは失ってみて初めて気づいたことである。けれど、同時に、その失ったものがインターネットぐらいでよかったとも思う。自分の寄って立つところを失うことがないようにと、つながらないパソコンを前に考えている。

(wajo)

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