あとがき

今年の蓮光寺旅行会は、「九州・長崎の旅 ─平和を考える─」として、10月中旬の3日間、蓮光寺のご門徒の方々に長崎までお越しいただきました。昨年、「あなかしこ」で東本願寺長崎教会の「非核非戦の碑」について紹介したこともご縁となりました。

初日は平和公園、原爆資料館を見学し、出島や稲佐山からの夜景を鑑賞しました。2日目、長崎教会で聞法会「『非核非戦の碑』に学ぶ」を行ないました。勤行の後、藤原駐在教導より「碑の紹介と願い」と題してご法話をいただき、新しい資料を含めて碑のいわれを学びました。その中で「この碑を通して皆さんと私達がつながっている。原爆で亡くなった方がご縁となっている。それは非常に重たいことである。」「死者の方々は無限に深い所から願われている。ここに私達が何を受け取っていくのか。生者が何をなすべきかは明らかである。」とのメッセージを述べられました。

これを受けて、篠崎さんの感話に続き、本多ご住職より「大切なのは、平和の歩みを続けられない自分のあり方を教えていただくことでしょう。“さるべき業縁のもよおさば、いかなるふるまいもすべし”、という親鸞聖人のお言葉をよくよくいただいていかねばならないと感じました。人間の愚かさ、凡夫の自覚を通して、教えによって、いつも問い直していく眼をいただき続けていきたいと思います。」との感話をいただきました。

終了後、聞法会に参加した長崎教会の各位と昼食会を行い、貴重な懇親の場となりました。

午後、グラバー園などをまわって雲仙温泉へ向かい、交流を深め、最終日は島原から空港へ向かい、飛行機を見送りました。

ところで、非核非戦の碑には、爆心地付近で多くの方々が亡くなった浦上川のことが記されています。私は、碑の促しもあり、この身近な川の清掃等の活動を通して自分自身を見つめ直すことを目指し、1年半ほど前に有志でボランティア団体「川に学ぼうかい」を立ち上げ、細々と活動を続けています。ご縁に促された活動で、今後もどうなるか不透明です。ただ、今回の旅行会で、改めて、凡夫の私として、少しでも息長く続けていけたらと実感しています。

(草純)