新住職就任挨拶

本多雅人新住職(釋徹照、40歳)

本日は「報恩講および住職襲職奉告法要」にご参詣いただき、またお祝いや温かいお言葉を頂戴いたしまして本当にありがとうございました。

昨年の11月下旬に父が脳硬塞で入院して以来、住職代行を勤めてまいりましたが、新年度を迎えた4月に住職を交代することが決まり、6月28日付けで東本願寺より正式に蓮光寺第17代住職を拝命いたしたことでございます。

それから4か月以上の月日が流れました。もっと早く住職披露の法要を行った方がいいとの声もございましたが、報恩講という、宗祖・親鸞聖人が明らかにされた本願念仏の教えを聞き宗祖の御恩に報いる法要のなかで、住職披露を行いたいという私の願いがございました。言い替えれば、お寺は住職だけで成り立っているのではなく、親鸞聖人の教えに集う人たちによって支えられているということを皆さんとともに分かち合いたかったからです。

親鸞聖人は、ドロドロとした生活の場でこそ真実の教えを聞く意味があるとして、生活こそ修行の場として歩まれました。生活のなかでは当然、苦しみや悲しみ、悩みも出てきますが、それが生きている証拠じゃないかと、しかしそういう自分を照らす鏡として仏法をいただくのだと、こういう仏道を歩まれたのが親鸞聖人です。このような親鸞聖人の確かな歩みに励まされながら、生活の中から自分の生きかた、ありかたを問う人たちの集う場が出来ていきますが、そこに後に本尊(阿弥陀如来)が安置されてお寺となっていったのです。

ですから浄土真宗のお寺は、教えを聞き、自己を明らかにする聞法の道場であります。葬儀やご法事も、単に亡き人を偲ぶだけでなく、大切な人の死を通して、いずれ死んでいく自分のいのちを見つめなおす大きな御縁であろうかと思います。法事やお墓参りは大切でありますが、それ以外でも、ぜひお寺に来て、教えにふれていただければありがたく存じます。そういう願いのもとで、蓮光寺の情報誌『ふれあい』が誕生し、記念品のひとつとして、お渡しいたしたことでございます。お寺は親鸞聖人の教えに集う人たちによって、つくられ支えられていきます。どうぞ、気楽にお寺にいらしてください。

微力ではありますが、まず住職自らが真宗門徒にならせていただくよう精進してまいりたいと存じますので、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、末長くよろしくお願い申し上げます。本日は天候不順のなか長時間にわたってご苦労さまでございました。ありがとうございました。

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