門徒随想
法名をいただいた喜び

本山東本願寺の帰敬式で、いよいよ剃刀の儀が始まる時に「合掌して下さい」の声で念珠に手を通そうとした。その瞬間、大変不思議なことだが、なぜかこの念珠を買った時のことを思い出した。この念珠は、今から6年半ほど前に、結婚後わずか2か月後に、妻の母がくも膜下出血で倒れ、その1週間後に亡くなった時に買ったものであった。その後も色々なことがあり、色々な人たちとの出会いがあって今日の日があったことが頭をよぎった。

思えば、「いのちのふれあいゼミナール」に参加させていただき、宮戸道雄先生、二階堂行邦先生の素晴らしい法話をお聞きする機会を得て、遠い昔から受け継がれてきた念仏の教えを聞くことができた。実に不思議なことである。

このような場を設けて下さった先生方はじめスタッフの皆様、一緒に語り合えた同朋の方々、本山研修に快く送り出してくれた妻に感謝している。そして「汝、凡夫よ」という呼びかけに耳を傾け、日常生活の中で自分を見つめ、教えを聞きつづけていきたい。

橋口茂(釋草純、35歳)

「仏教徒とは、お釈迦様から教育を受ける生徒になること。門徒とは、親鸞一門の生徒になること」というゼミナールでの宮戸先生のお話を聞いて、帰敬式を受け法名をいただく決心をしました。

帰敬式後の座談で、門徒倶楽部の仲間の一人が帰敬式の感想を話そうと一言話したところで感極まって、4〜5分の間、私自身の歩みをふり返ることができ、色々なことが思い浮かび考えさせていただきました。歩みはそれぞれちがっていても、同じところに立っていることに胸が熱くなりました。

今こうして真宗門徒として、仏教徒として歩まさせていただいていることに感謝しております。

日野宮久夫(釋徳善、46歳)

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