あとがき
- 静岡県の遠州灘海岸で、マッコウクジラが漂着し、村人を中心に、海に返そうとあらゆる手を尽くしたが残念ながらクジラは衰弱死した。「限られた時間のなかで、できるだけのことをすることの素晴らしさを学んだ」とは村長の言葉。クジラは死んだが、輝いて生きる世界をクジラは教えてくれたのではないだろうか。
- 先日の門徒さんの葬儀でのこと。重度の障害を持つ若者が亡くなった。「この子がいたから、多くのことを学び、沢山の人々と出遇うことができた。この子は生きるということの意味を教えてくれた」とは両親の言葉。死と背中合わせで生きた若者の姿に深く生きる姿を見た。
- 生きるためには、条件を整えることが大切だという幻想をどう打ち破っていくか。何でもない日常のなかに、たくさんのヒントがあるはずだ。それに敏感でありたい。思わぬ出遇いが生き方を転換せしめるのではないだろうか。