「チャリティー講演
ピアノコンサート」
のお知らせ

日時 1999年10月1日(金) 18:30開演(18:00会場)
会場 東本願寺真宗会館  練馬区谷原1−3−7
西武池袋線練馬駅南口より西武バス成増町行きで
「高松3丁目」下車徒歩1分
出演 小林完吾さん(講演・元ニュースキャスター)
小平やすこさん(ピアノ)
前売券 1000円
主催 コミュニティ21
真宗大谷派若手僧侶が中心となって
社会福祉活動をめざすグループ。
問い合わせ コミュニティ21事務局(蓮光寺内)
<cbp17950@pop12.odn.ne.jp>

待っています! あなたの熱いエール!

田口 弘

私は昨年蓮光寺で開催された「真夏の法話会」の講師をつとめるご縁をいただきました。あれから1年、皆様はお元気でお過ごしでしょうか。法話会でも触れましたが、私たち視覚障害者がこまっていることのひとつに、情報不足があります。目に訴える媒体が、圧倒的に多い今日、それらを受け取れないと実生活に支障をきたすばかりか、心は深い孤独の淵に沈んでしまいます。この問題を少しでも解決しようと、各地の図書館で点字図書や録音図書(朗読を録音したテープ)が作られ、障害者に貸し出されています。私自身これらの「本」にどれほど心を癒され、生きる勇気を与えられたことか、とても一言では言い表わせません。しかし、盲人の読書を援助する機関の中核的存在である社会福祉法人日本点字図書館(新宿区高田馬場)は長引く不況で寄付金が大幅に減ったため、苦境にたたされており、利用者も「これまで通りに読書ができなくなってしまうのでは?」と心を痛めています。

今春、そんな窮状を友人である源隆寺の白川良行さんや蓮光寺の本多雅人さんをはじめ、真宗大谷派の若手僧侶の皆さんにお話ししたところ「できる範囲でなんらかのサポートをしたい」という心強いご返事をいただきました。私も僧侶の一人としてこれまで具体的な行動を起こせなかったことを反省するとともに、今回のスタッフの方々の並み大抵ではない意気込みに大変感激しております。ほどなく「コミュニティ21」が結成され、多くの方々からご賛同をいただく中で、またたく間にチャリティー開催が目前にせまってきました。本は読者のこれからの人生のみならず、これまでの人生すら変えるだけの大きな力をもっています。今回のイベントは視覚障害者が一冊でも多くの本に出遇える環境を生み出す一助になれば、これ以上の喜びはありません。ことの成否は、皆さまが私たちを応援してくださるかどうかにかかっています。「コミュニティ21」への物心両面にわたる熱いエールを心よりお待ち申し上げております。10月1日、真宗会館で皆さまにお会いできることを楽しみに点筆を置きます。

ついでながら一言二言
「あなかしこWeb」制作者・YUYUより
ウェッブ作成に携わる人々へ

ウェッブは基本的に視覚情報媒体ですが、現在、視覚障害者用ブラウザ(音声出力や点字出力)の開発も進められ、すでに一部実用化に移りつつあります。ただし視覚障害者用ブラウザは、その性質上、正確かつ綿密に打ち込まれたソース・コードでなければ判読が難しいという問題があります。

インターネットの急速な普及に伴い、企業のみならず個人でも簡単にウェッブを開設できる状況になりました。さらにウェッブ作成ソフト(ワープロ感覚で簡単にウェッブを作ることのできるソフト)も安価で出回っています。しかし残念なことに、現在開設されているウェッブのほとんどは、そのソース・コードが「正確かつ綿密」とはいいがたく、また、ウェッブ作成ソフトなるものも「正確かつ綿密」なソース・コードを作ることができません。すなわち、世のウェッブのほとんどは視覚障害者用ブラウザでは判読しづらいというのが実情です。

「あなかしこWeb」はその開設当初から、視覚障害者用ブラウザに配慮しつつ作られています。もっとも、これまでは完璧とはいえませんでしたが、このたびの「コミュニティ21」の旗揚げに伴い、今号からはソース・コードをより正確かつ綿密に打ち込むことを心がけることに致しました。

通信における時間と空間の壁を取り払ったインターネットが、身体障害の壁をも取り除く日が到来することを、心から願っています。