◆あとがき◆

 前住職が亡くなった後の3週間あまりの間に、何人かの蓮光寺のご門徒が亡くなられた。外を見ても中東和平に貢献したヨルダンのフセイン国王をはじめとして、日本においてもジャイアント馬場さん、久野収さんなど、相次いで亡くなられた。人間の思い以前にあるいのちの厳粛な事実、死の問題を考えずにおれない。
 死をタブー視した結果として、かぎりある尊いいのちが踏みにじられているのが現代ではないか。いじめや毒物事件、自殺の増加などは何よりもそのことを証明している。ただ知識優先教育が主流のなかで、少しずつではあるが「生と死の教育」に目が向けられてきていることは喜ばしい。
 2月11日は建国記念の日であった。「紀元節」復活反対側と建国を祝う側が、各地で集会や式典を開いたようだが、できれば「生と死を考える祝日」でも設けて、生と死について全国各地で意味のある活発な集会・交流をしてみてはどうだろうか。